【第2章】 ドライフルーツの特徴

ドライフルーツの優れた特徴として「保存性」、「栄養凝縮」、「味わい(おいしさ)」、の3つを取り上げていきます。

1. 保存性
最古の加工食品と考えられるドライフルーツは、水分を飛ばすことで長期保存を可能にした優れた食品製造技術です。紀元前から培われたその技術は現在まで脈々と受け継がれ、減圧乾燥フリーズドライなど、さらなる進化を遂げています。

保存性の高さについては、例えば、生のバナナを常温保存すると数日から1週間くらいしか持たず、長期保存は難しいですが、乾燥させて未開封することにより約半年から2年程度は保存が可能になります。工場などで原料として乾燥品を保存する場合は冷蔵庫で保管することにより、劣化のない形で長期保存していることが多く需要の増減に対応できるような形が取られています。また、乾燥することで省スペースと軽量を実現しています。

保存性が高く軽量ということと、少ない量で栄養価が高いということで、持ち運びもしやすく登山などアウトドアの行動職や災害時の非常食としても活躍します。

2ドライバナナ

2. 栄養凝縮
水分を飛ばしているので、生に比べ栄養素が凝縮し、少量で高い栄養価を期待できます。
ミネラル食物繊維抗酸化物質が含まれており、生活習慣病予防、健康維持をサポートするナチュラルな食品として期待されています。また、皮ごと加工されているドライフルーツについては、皮に含まれる希少なポリフェノールなど抗酸化物質を摂取することが可能です。
ドライフルーツは生の果実と比べて6倍から10倍程度に凝縮された食品ですので、その栄養価も6倍から10倍程度に凝縮されています。

下記の表は、ドライパイナップルと生のパイナップルの栄養成分を比較したものです。栄養が凝縮されていることがよくわかると思います。また、低温乾燥されたドライパイナップルにはたんぱく質分解酵素(ブロメライン)が活動していることもわかりました。
※缶詰や高温処理されたパイナップルには酵素はまったく含まれません。

生ドライパイナ栄養成分比較表

3. 味わい(おいしさ)
ドライフルーツは、果物や野菜の「素材の味」が凝縮されたものです。生の状態よりも水分が抜けることにより、糖分や栄養分が凝縮し、甘みが増します。果物本来の風味と味わいを大切に乾燥させたドライフルーツは、口に入れた瞬間の風味が良く、独特な食感で噛めば噛むほどおいしさが広がります。
味わいはもちろん、それぞれのドライフルーツの食感も楽しみましょう。少し硬く、噛み応えがあるもの、ほどよく柔らかいもの、いろいろ食べ比べて好みのドライフルーツを探してみましょう。

第2章のまとめ
ドライフルーツは水分を飛ばすことで保存性を高め、さらに栄養分(ミネラル・食物繊維・抗酸化物質など)や味わいも凝縮されたおいしくてヘルシーで素晴らしい食品であることがわかりました。