【第7章】 注目!国産ドライフルーツ

レーズンやプルーンをはじめ、小売店で販売されているドライフルーツのほとんどが海外で製造されているものです。
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近年、日本でもドライフルーツを展開する生産者が増えてきています。国産のドライフルーツ、海外のドライフルーツ、それぞれ良いところがありそうですが、国産の良さといえばやはり国内の生産者の支援にもつながるということではないでしょうか。
gr_73610また、流通経路が輸入物より理解しやすくより安心感があるのではないでしょうか。また、国産ドライフルーツの生産者は輸入のドライフルーツとは別の付加価値を創出しようと考えている場合が多く、原料の選定から生産までこだわりが多いのも特徴かもしれません。さらに国産ドライフルーツについては海外のドライフルーツと違う食感を持ち、新たな味わいや楽しみ方を提供してくれます。

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たとえば、長野県産の高級ぶどうのナガノパープルやシャインマスカットを使用したものや、青森県産のいちご(とちおとめ)を使用したものなど、地域の主力品種のフルーツを素材そのままで乾燥させたものなどがあります。砂糖漬けにせず、素材そのままを乾燥させておいしいドライフルーツを作るためには原料自体も熟しておいしいものでなければなりません。未熟なものを大量に収穫し砂糖漬けにして乾燥させることが多い海外の安価なドライフルーツとは香り、食感、味わい、すべてが異なります。こだわった作り方をしているため価格も高めになりますが、10倍に凝縮されたフルーツだということを考えればその価値は価格以上のものだと理解できるものだと思います。

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先ほど例に出たナガノパープルのドライフルーツなどは50g700円程度で販売されていますが、単純計算で生の果実500g分のぶどうです。1房300gから400g程度ですから、50gのドライフルーツにはぶどう1房以上が使用されていることになります。高級品種ということも考えれば保存も利くようになり味わいは凝縮されて700円は価値から考えれば安いと思えるほどです。

生のフルーツは流通できる期間が短いのでドライフルーツの生産をすることで捨てられてしまうかもしれないフルーツの有効活用にもつながります。生のフルーツにはなかった保存性や凝縮されたおいしさという価値を創出し、捨てられてしまうかもしれないものが商品となり生産者に還元されていく取り組みが広がることで国内の生産者の手助けになれば素敵なことです。

第7章のまとめ
近年身近になり始めた国産ドライフルーツについて学びました。国産と海外産、それぞれ特徴に違いがありますが、実際食べ比べて考察することも楽しみとなりそうです。

※ドライフルーツ豆知識・・・国産ドライフルーツは生産量も少なく一般的に流通できるほどの量が確保できていないのが現状です。インターネットショップなどではさまざまな国産ドライフルーツを品揃えしているショップも出てきていますので、チェックしてみてください。購入することで広がりが生まれますね。